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「マイマイ新子」、観て来ました。

 投稿者:ゆ~さくメール  投稿日:2009年12月12日(土)15時56分20秒
  通報 返信・引用 編集済
  ○え~、非常に遅ればせながら『マイマイ新子』を観て来ました。
何故こんなに劇場に足を運ぶのが遅くなったかといえば眼の具合が悪かったからッス。やっぱり鑑賞中に
3、4回スクリーンが見えなかったりしたけど映画の内容が良かったおかげで、発作もゼンゼン起きなかっ
たし、お天気も良くて鑑賞後は最高の気分!観に行って良かった~。…そう、良かったんです作品内容。
      
文句無くDVDは購入決定!!!しかし"ただし書き"も色々と付きます。
えーと、児童向け映画ではありません
監督はプログラムの中で「児童映画の復権を
目指した」と表明されてるけど、それは「映画内部の構造」に寄った言葉であって、興行的には違うと思い
ます。何故ならこの映画、ガキにゃあ判らない(苦笑)。ガキの目にゃあ戦後すぐの昭和の風物を味わい、
平安時代の生活を学ぶ、退屈な学習映画としか映らないでしょう。本物の児童映画は、ガキに感動の涙
を流させなくてはなりません。だからコレは児童向け作品ではない。ジブリ作品と勘違いして子供連れ
で観に行った、昔は本ばかり読んでいた多感な少女時代を過ごした母親なんかは感動して泣いちゃう人
もいると思うけど…。そう、ジブリ作品。作画は殆ど「ジブリ作品」と呼んでイイくらいでした。緻密さ
も、絵柄も。えーとかなり「ポニョ」を意識されているのでは!?と思います。
何故なら…ココからは少々失礼に当たる憶測になるかも知れませんが…監督が御自身のブログで「2回
観て下さい。2回観ると「感想が変わった!」と言われる方々が大勢おられます」と要望してらっしゃる
ので、興行的にリピーターを狙ってらっしゃるのは間違いない所かと。その目論見はある程度ハマッて
いると思います。アタシの観た9:40という1日1回こっきりの上映回も意外な程の観客が入っていました
し、噂に釣られた層が動くのはコレからかも。…でもそんな遅い客反応は劇場の方が困っちゃうでしょ
うし、クリスマスまではもちゃしないでしょう。んで…"「ポニョ」を意識する"という事は、映画の中に
ヘタをすれば読み間違う、ブツギをカモすような構造をシカケるという事です。この映画、ハリウッド
作品のように「全てが説明的に与えられる物」として余裕こいて観流していると、何も起らない(?)まま
終わっちゃって「え~ッ!!?」と叫ぶハメになるでしょう。でも大丈夫。「ポニョ」みたいな、誤読を誘発
するトラップが散りばめられたイジワルな構造ではありません。ディズニー作品とかのように「映画は
何もかもを"説明"してくれるモノ」と思ってさえいなければ大丈夫だと思います。私の場合の感想は…
恐ろしく"澄んだ"映画って事でした
上記↑の通り読後感は限りなく爽やか。まるで「この湖は水が清過ぎて魚はいないよ」と言われた湖水に
潜ってみたら、ガラスの様に透き通った精霊かなんかに出会った、みたいな…。この映画を理解出来な
かった人からは「マボロシでもみたんじゃねェの?」というヤジが飛ぶかも知れませんが、左様。本作の
テーマは"夢"。『人は何故"夢を紡ぐ"のか』…という事だと思います。さらに何故タツヨシと新子は
2匹目の金魚を見て、死んだ金魚が魔法で蘇った物…と信じなければならなかったのか…等にピントを
合わせて御覧になれば…「子供たちの心」を理解出来れば、作品の内容は、おのずと明快だと思います。
映画の中盤までは私は『あぁ昭和版「赤毛のアン」をやるおつもりかな…』と思って観ていました。想像
力の怪物・アン・シャーリーと、本作に登場する主人公・新子はそっくりです。さらには「赤毛のアン」の
読者は、その物語がエリザベス・モンゴメリという女流作家の幼少期を回顧して書かれた自伝に近い物だ、
という前提を知って読んでいます。この映画にもそんな仕掛けは施されています。主人公・新子の将来
については全く触れられませんが、平安時代の少女・諾子が、後の清少納言だった、なんて辺り。"夢を
紡ぐ者"="作家"、という隠喩は明快に施されている物と思います。
その平安時代の住人・諾子は本作の物語に絡んで来るのかと思いきや、ゼンゼン絡みません。ただラスト
近くで、食中毒に苦しむ子供たちに悪鬼払いの人形劇を演じて見せるだけです。「魔法」も殆どといって
登場しません。新子の想像力に追い付けない貴伊子が夢の中で、ついに念願の平安時代に行き着き諾子の
孤独、切なさを新子以上にありありと受信してしまう…あのシーンが「魔法」と言ってしまえば「魔法」なの
かも知れません。
この映画を観て、皆さんが頭の中で対比させる過去の作品と言ったら何でしょう。「となりのトトロ」?
「おもひでぽろぽろ」?私は「"夢を紡ぐ者"="作家"」という視点に乗って鑑賞していましたので、多少
詰まらない受け取り方かも知れませんが…脳内に、過去の作品では「うる星/ビューティフルドリーマー」、
最近作では山内監督の「キャシャーンSins」が去来しておりました(笑)。「うる星~」は押井監督が20数年
前に「夢を売り物にする事」(アニメーションを作る事)の構造欠陥的問題点を、「Sins」は「キャシャーン」
という縁もユカリも無い題材に乗せて「アニメ業界の陥った現状を極めて悲観的に描いた」、そんな隠れ
テーマを内包してはいなかったか、と感じております。個人的にですが。
「マイマイ新子」は"作家=夢売りびと"をテーマに含める事によって、この問題にも、スパッと、明快に、
実に心地良いカタチで唯一の解答を引き出してくれたように感じています。私の場合、読後感が限りなく
爽やかだったのは、その由縁です。…でもコレは少々偏狭で詰まらない解釈かも知れません。けど本作、
「業界の人々に観てもらおうとして作った」みたいな側面、けっこあるんじゃないでしょうか!?
…今、買って来たプログラムに乗っていた片淵監督の作品紹介文「こどものせかいへ」を読んで、自分的
に更に得心が行った気分です。やっぱ業界へのメッセージ的側面、あるのでは。この映画。
しかしその受け取り方も、やっぱ偏狭。主軸は、あくまでも「この世の不幸や不条理を真正面から受け
止める」少年少女たちの心、なのだから。二人で大人の世界へ特攻した夜、タツヨシの木刀へ込めた思
いに悪女は泣き、ヤーさんたちも沈黙してしまう。高畑勲監督の「じゃりン子チエ」にも通じる性善説的
オプチニズム。本物のヤのヒトは「こんなガキじゃあ酒代にもなりゃしねえ…埋めちゃおっかな♪」とか
思い立つ者も多いでしょうにね。この映画では「この人たちも戦後を生き延びるため、生活のため仕方
が無かったんだ」というトコロに落ち着きます。新子たちに触発されて。こーゆー「子供たちの美しさ」
を味わうのがキライならば、アタシも児童向け至上主義などやってはいません。

しかし全体を括る"ただし書き"として、更に一つ付け加えるのならば…「ポニョ」ほどではありませんが、
映画としてのまっとうな脚色は(意図的に?)破壊されている印象があります。例えばラストシーン、
千年の時を隔てた、共に"想像"の名手である二人の少女が、共に呼応するかのように草笛を吹く…凄く
象徴的な良いラストだったと思うのに、ソレを詩的に盛り上げる事無く一瞬で切っちゃったりします。
コレはあれですかね、後で反芻して、もしくは2度3度と観て「あのカットにはあんな意味があったの
か!」とか気付いてくれ、ッてコト?「ポニョ」効果、狙いました?…いえ、アタシの穿ち過ぎな妄想
だとは思いますが…なんか、今年のアニメでは「東マグ8.0」などと同じ「観客を選別しよう」みたいな
意図も感じられないではないんですが…。新子のキャラの特色であるマイマイのザワザワ、アレなん
かも何かを象徴、暗示しているような気が?「マイマイ力のある観客とそうでない観客がいる」ッて
事を暗に示したかった、とか?  まさか。

ちょっと補足。
「ポニョ」御かんその時もそうでしたが、何故アタシが↑「"世界中の観客に伝わる"筋道だった、しかし
全てを"説明"してしまうハリウッド的脚本・演出」を敵視するのかとゆーと、それで「一部の観客の感受
性が鈍くなっている」とゆー事を昨今ヒシヒシと感じるからッス。実際に感じます。特に「ポニョ」がサ
ワギを起こしていた頃の、ジブリ作品では「トトロ」が最高!とのイメージに固執していた奥様方とか。
『観たけど「ポニョ」より「アイアンマン」の方が面白かった!』…とか言ってたし(^血^;)。
「いいでしょ?勧善懲悪物なんだから!正義は勝つのよ!」とか言って観てたんだろうなぁ。オッカネー。
あーゆー客層に十重二十重に包囲され進退窮まったアニメ界の巨老は、まだ炉○どもの方が観客として
有望だ!と「ポニョ」を撮った!全国の炉諸君、自信を持て…だなんて世迷い言は書きませんよあたしゃ。
しかしそういう"感受性が動脈硬化する系"への抵抗って、今回の「マイマイ新子」にも、ありますよね?

12/13 7:40AM、付記。
勿論、様々な捉え方はあろうけど、アタシは「マイマイ新子」大絶賛派です。ロリ的にも満足できるし
コレを創った監督の真意も判るし、何よりもその「伝わってくるもの」が限りなく美しく、澄んでいたから。
この映画のエンディングテーマはカーペンターズの「Sing」。
劇場を出る時、半ば興奮しながら、この主題歌を頭の中で口ずさんでいました。これ、…やはり業界に
生きるヒトへの、"夢売りびと"の仲間達へのメッセージ、込められているのではないか?…と感じます。
♪Sing~♪Sing a Song~♪

歌おう 歌を歌おう 大きな声で、強く歌おう
歌はいいものだよ 詰まらないものじゃないよ 歌は楽しいよ 寂しくないよ
歌おう 歌い続けよう 一生口ずさめるような 単純なことを歌おう
誰かに「上手くねぇよ!」って言われたって気にしないで 歌を歌おう


今、この歌詞を自分なりに和訳しながら『なんか似たようなこと歌ってる歌、最近どこかで
聴いたな…?』と思ってました。あッ!判った!今、これ書いてるビハインドで録画してる
「夢色パティシエール」主題歌、『夢にエール♪パティシエール』だ!!!

『「美味しい!!」を作るって♪思いっきり楽しいね!!♪』


なんだ~、同じコト歌ってる歌だったんだ~!(*^四^*)
さて、そんなワケで今度は日曜朝のお楽しみ・「夢パティ」を観ましょおかね。
 
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